カテゴリ: ミステリ・サスペンス

どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのは四十万チマさんの

「さようなら運命の人。二日前でまた会いましょう。」

です!
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☆感想☆

ストーリー AA
内容は、死ぬことで2日前に戻れる能力を持つ倉田修純は大学を中退し毎日を無為に過ごしていた。そんな彼の唯一の心の支えはインフルエンサーとして人気急上昇中な美しい女性・須美琴華が彼女であること。琴華に上京を誘われるが、なんと琴華はトラックに轢かれて死んでしまう。倉田のループ能力を知る津ケ原夜途の協力を得て、倉田は琴華を救うために何度もループを繰り替えす。しかし琴華は必ず死ぬ運命にあり…さらにループするごとに夜途のヤンデレが加速していく…ループ×ヤンデレなサスペンスが幕を開ける!とこんな感じです!

〜何度繰り返してもヤンデレは止まらない〜

第17回GA文庫大賞《銀賞》受賞作!ループものと聞いて発売前から楽しみにしてました!まず言わせてください…

この作品めちゃくちゃ面白いです!

久しぶりにライトノベル読んで心の底から面白いと思いました!ループするごとに明かされていく真実と加速していくヤンデレ!求めていたすべてがここにありました!最高でした!

まず序盤。倉田の日常が描かれます。大学を中退し毎日をただ消化するだけの日々。そんな彼の生活に彩りを与えてくれているのがインフルエンサーとして活動し、近々タレントデビューも予定されている彼女の琴華と深夜のコンビニで会話する間柄の女子高生・夜途。おいおいなんで倉田に彼女がいるんだよ!という感想はともかく…倉田の現状を丁寧に見せてくれる始まり方が好印象でしたね!

タレントとしてデビューするために上京するという琴華についてこないかと言われる倉田。彼は悩んだ末に彼女についていくことにしますが、なんと琴華はトラックに轢かれて死んでしまいます。琴華の死を回避するために倉田は何度もループすることに。いわゆる死に戻り系のループで夜途に殺されることで2日前に戻り、運命に抗おうとしていく過程は一気に物語に引きこまれましたね。

しかし運命は変わらずどうしても琴華が死んでしまう…絶望の底にいる倉田に対して夜途はとある方法を提示します。ここからまた物語の流れが変わりましたね。琴華のことを忘れるために夜途と遊びまくり永遠の二日間を繰り返す。ここで物語が綺麗に終わってくれたら…どれだけ楽だったんでしょう…

しかしいくら夜途と過ごしても倉田の琴華への想いは消えることがありません。そこで夜途はとある方法を倉田に提示します。ここからまた物語は別ベクトルへと加速していきましたね。明かされる夜途の過去と倉田への想い。そして倉田が認識していない0回目のループで倉田が見せた夜途をヤンデレ化させるには十分な行動…倉田…お前やっぱり最低だよ…
ラストと構成含めてガツンと面白いを味合わせてくれる究極のループものでした!面白かったです!

キャラ A
倉田は情けなくて弱くて最低な青年。主人公として見るとまったくかっこよくはないんですけど、この物語の主人公としては大正解でしたね。

琴華は美人でインフルエンサーをしている女子大生。次の彼氏のつなぎとして色々便利そうな倉田と付き合うという側面を持ちつつ、読み終わってみると一番まともだったのは彼女であることを思い知りましたね…夜途は究極のヤンデレ。詳しくは言えませんがここまでのヤンデレは今後なかなか味わえないでしょう。

最後に
ループ×ヤンデレ×サスペンスな究極のエンタメとして楽しく読ませていただきました!綺麗に完結しているので流石に続きはないと思います。四十万チマさんの次回作が楽しみですね!

どんな人にオススメか?
ループものやヤンデレが好きな方は!好きな人はとことんハマります!ループものやヤンデレが苦手、という方にも是非読んでほしい面白さを持つ作品です。多くは語らないので黙って買って読んでください。

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

さようなら運命の人。二日前でまた会いましょう。



著者

四十万チマ



レーベル

GA文庫


ISBN

978-4-8156-3730-9




どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのは東崎惟子さんの

「君を狂気と呼ぶのなら」

です!
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☆感想☆

平凡な家庭で育った少女の日常は新興宗教の訪問勧誘によって変わってしまう。宗教勧誘のお姉さんが置いていった聖書。それに少女が興味を持ってしまったがゆえに家族はバラバラになっていく。新興宗教にのめり込む母親、それに呆れて家を出て行ってしまう父親、妹のことを心配しつつも母親に愛想を尽かし家に寄り付かなくなった姉、そしてバラバラになった家族のために神様の声を聞こうとする少女…家族が修復不可能になるまで成長した少女を待ち受けていたのは残酷な現実だった…

〜少女の狂気は終わらない〜

東崎惟子さんの新作。前作「美澄真白の正なる殺人」が面白かったので楽しみにしていました。本作は新興宗教によって家族をめちゃくちゃにされた少女による復讐サスペンスとして楽しく読ませていただきました。面白かったです。

物語は三章構成で進んでいきます。なんといっても圧巻なのは一章でしょう。平和な家族が新興宗教によってボロボロに破壊されていく過程がこれでもかと丁寧に描かれていきます。訪問勧誘にやってきた王国の暁という新興宗教の女性。その女性からもらった聖書に興味をもってしまった少女。母親と一緒に聖書を読み、訪問勧誘の女性と会話をし、心を許してしまったがために崩壊が始まります。

新興宗教の施設で徐々に洗脳されていく母親。父親や姉は母親を止めるも言うことを聞かず、母親に呆れた父親は家を出ていき、姉も家に寄り付かなくなります。母親は新興宗教を広めることで、教えを守ることで家族が元通りになると信じてさらにのめり込み、家族をつなぎとめるのは私しかいないと少女は神の声を聞こうと無理をした結果、精神病由来と思われる神の声が聞こえるようになります。

一章の内容は壮絶ではありますが、読む手が止まらない魅力があります。新興宗教なんて絶対にハマるはずがない、なんて思っている人がこうやってのめり込んでいくんだな…という凄みがあります。

そして成長した少女は人生初の恋をすることに。しかしここからさらに崩壊が進んでいきます。王国の暁では不純異性交遊は許されていないため、このことが母親に知られて少女は…ここまでも壮絶な物語でしたが一章の終わりをはじめ、とんでもないインパクトがありました。

二章以降は復讐の物語に転じていきます。ジャンヌダルクが一つキーワードとなり、一生では幼く搾取されるだけだった少女がまさに救国の英雄として自分を害してきた者たちに立ち向かっていきます。まさに人間離れした、といっていい復讐劇でしたね…

そして三章で復讐に決着がつきます。復讐は何も生まず少女は自らが裁かれる立場になり、美しいジャンヌダルクのまま物語は終わるのか…と思いきやそうはならないところにこの作品の救いを見ました。

決して明るい話ではないです。ただページをめくる手が止まらない狂気と最後の救いにやられてしまいました…極上の読書体験でした。名作です。


それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

君を狂気と呼ぶのなら



著者

東崎惟子



レーベル

新潮文庫nex


ISBN

978-4-10-180319-7






どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのは空洞ユキさんの

「殺されて当然と少女は言った。」

です!
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☆感想☆

ストーリー A
内容は、県議員である父親を惨殺された少女・真中理央は記者会見で「父は殺されても仕方ない」と発言したことで世間の注目を一気に集めることに。最愛の夫の死を悲しむ理央の母親、理央の同性の恋人である北条リオ、クラスメイトで動画投稿者の阿南光、担当警察官の東山祥子、そして犯人の隅田良生…彼らの視点から見える事件の真相とは…とこんな感じです。

〜少女の目的は何か〜

第21回MF文庫Jライトノベル新人賞佳作受賞作!博さん表紙のインパクトがすごくて発売前から楽しみにしてました!父親が殺されたことをきっかけに世間の注目を浴びることになった少女の異常性や事件の背景が描かれていくサスペンスとして楽しく読ませていただきました!面白かったです!

物語は群像劇形式…というか事件に多かれ少なかれ関わる6人の視点を交差させる形で進んでいきます。女子高生にしては聡明でオッドアイが特徴的な理央、理央の母親、理央の恋人である同級生のリオ、クラスメイトでクラスメイトで動画投稿者の阿南光、担当警察官の東山祥子、犯人の隅田良生…彼らの視点から事件のことが、そして理央のことが描かれていきます。

各登場人物ごとに見える理央の異常性や女子高生相応のかわいさや、全てを計算しつくしている感じが非常によかったですね。理央とリオの絡みには百合みも強く感じて個人的には大満足です。

物語の構成的には面白かったんですけど、メタっぽい描かれ方をする個所があるのとちょっと気になる個所があり個人的には…な部分もありましたが、構成面で楽しませていただいた作品でした。面白かったです。

キャラ A
理央は表紙の雰囲気とは割と真逆?な感じの印象を受けましたね。女子高生相応の可愛さや大人しさを見せたと思ったら切れ味鋭い言動や行動で登場人物たちを驚かせていく…こういうタイプの主人公好きです。その他メイン級の登場人物たちも印象的でした。

最後に
一人の少女にスポットを当てたサスペンスとして楽しく読ませていただきました。MF文庫Jでこういったタイプの作品を読むのは久しぶりだったので面白かったです。

どんな人にオススメか?
サスペンスが好きな方は!群像劇形式で事件の謎や真実が明かされていく過程が面白いです。理央の異常性にはゾクゾクします。気になった方は

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

殺されて当然と少女は言った。



著者

空洞ユキ



レーベル

MF文庫J


ISBN

978-4-04-685439-1-

表紙画像のリンク先




どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのは和田正雪さんの

「特定しないでください」

です!
※ネタバレはないつもりですが、ミステリなので未読の方はご注意ください
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☆感想☆

無名の新人作家である《私》は本業の小説ではなかなか日の目を見ず、知り合いからもらう仕事で食いつないでいた。そんなある日、とあるアイドルの行方調査の依頼が舞い込んでくる。それは解散したとあるアイドルグループに人殺しがいるという噂の真相を確かめてほしい、というものだった。私は調査の過程と結果を小説にする、という条件の元で調査をすることに。調査を進めていくうちにとあるアイドルに起こった事件の真相が次々と明らかになり…とこんな感じです!

和田正雪さんの新作!「夜道を歩く時、彼女が隣にいる気がしてならない」「嘘つきは同じ顔をしている」とデビュー作、デビュー2作目とどちらも面白かったので今作も楽しみにしてました!前作まではホラーメインなお話でしたが、今回はどちらかといえばミステリメインないお話として楽しく読ませていただきました!面白かったです!

物語は無名の新人作家にとあるアイドルの調査依頼が舞い込むところから始まります。作家としてはまったく売れず知り合いからもらった仕事で食いつなぐ日々。そんな《私》にメランコリック・フルールというグループに所属するアイドルの調査依頼が…なんと殺人をしたメンバーがいるかもしれないので調べてほしいという。序盤から掴みはばっちりでしたね。

そして《私》は小説のネタになるからとそのアイドルの調査を始めます。アイドルのことがバレないように本にする、という約束を取り付け、編集者と共にメランコリック・フルールのファンや事務所のマネージャー、同じグループに所属するアイドルなど少しずつ事件の真相に迫っていきます。インタビュー形式というか、モキュメンタリー形式で進んでいくのが非常によかったですね!

そして何より本文のデザインがすごく良いです。アイドルの写真やSNS上のやりとりなどを彷彿とさせるデザインを挟みながら物語が進んでいくので、《私》の調査過程を追体験できるような仕掛けになっているのがグッドですね。アイドルの写真は実在するアイドルの写真を使っているのでなおのこと臨場感がありました。

ミステリとしても面白いのですが、やはり根底にあるのは人の悪意ですね。この悪意がページが進むごとに確かに感じられるようになるのが面白かったです。整形ってそういう理由でもするんだ、であったりとか裏垢の使い方とか…ピリピリする人の悪意が良きです。

サクサク読めて満足度の高いミステリでした。著者の新境地を存分に味わうことができたので、次回作以降も楽しみですね。新作待ってます!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

特定しないでください



著者

和田正雪



レーベル

小学館文庫


ISBN

978-4-09-407510-6

表紙画像のリンク先




どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのは海冬レイジさんの

「未遂同盟」

です!
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☆感想☆

ストーリー A
内容は、妹と平凡な日常を過ごす和十村写楽。そんな彼の前に完全犯罪の方法を教えて欲しいと言う月出里笑猫という少女が現れる。メンコン(女性向けのコンカフェ)にハマる彼女が完全犯罪を行いたい理由とは…?自称ソロキャンパーな家出少女の伊那亀美波。とあることをきっかけにお嬢様学校で孤立する姫宮心愛。彼女たちが起こそうとする事件を止めるために写楽は奔走するが…とこんな感じです!

〜事件は全て未遂で終わらせたい〜

海冬レイジさんの新作!個人的には12,13年前の高校生の頃に(すでに廃刊していた富士ミス版の)「夜想譚グリモアリス」を読んだ以来ですね…今作は青春ミステリ?サスペンス?という感じで個性的なキャラのかけあいが楽しい作品でした!

まず序盤。図書室で写楽と笑猫が出会うところから物語は始まります!完全犯罪のやり方をAIに尋ねる笑猫とそれをたまたま見てしまった写楽。それをきっかけに笑猫とメンコンを巡る問題に巻き込まれていくことになり…妄想癖というか被害妄想癖?な笑猫と写楽のやりとりは面白かったですね!ミステリとしても楽しかったです!

その後は自称ソロキャンパーな美波、学校で孤立というかイジメを受ける心愛の事件を解決することに!美波の壮絶な家庭環境や、心愛のなかなかにエグいイジメ描写は良くも悪くも印象的でしたね…個人的には美波のなんにも解決していない感じが…明るくて能天気に見えるけどしっかり傷ついている女の子は見るのが辛いです…

終盤はハロウィンを舞台に各話で散りばめられた伏線が回収されます。読み返すとなるほどな展開でしたね…落ち着くところもなるほどな感じで最後まで楽しく読ませていただきました!

キャラ A
写楽は探偵役?の少年。巻き込まれた事件を鮮やかに解決していく姿が印象的でした。ツッコミが印象的な妄想豊な笑猫。複雑な家庭の事情を抱える元気いっぱいな美波、お嬢様学校でイジメられている委員長タイプな心愛と各ヒロインたちも魅力的でした!

最後に
各ヒロインたちが印象的な青春ミステリとして楽しく読ませていただきました!終盤に各話がつながる構成もグッドでした!

どんな人にオススメか?
青春ミステリ、サスペンスが読みたい方は!写楽と各ヒロインたちとの絡みがグッド!気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

未遂同盟



著者

海冬レイジ



レーベル

MF文庫J


ISBN

978-4-04-685185-7

表紙画像のリンク先





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