どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています
ホラー作家・最東対地さんの新作。オクソラケイタさんの素晴らしいイラストにも惹かれて購入。五つの短編からなるホラー短編集として楽しく読ませていただきました!面白かったです!以下各話のざっくりとしたあらすじと感想です。
それではこの辺で(≧(エ)≦。)
さて、今回紹介するのは最東対地さんの「異世怪症候群」です!
ポストの村
妻と結婚したものの、一度も妻の実家に顔を出していなかった夫。彼はようやく念願叶って妻の実家のある上鶴子村を訪れる。赤が忌避されるその村で妻が子どもを作るためと監禁されることになるが…
とにかく吸い込まれる怖さがありました。最初の一編目ということでどんなものかと思っていたら…やられました…神隠しをモチーフにしているのですが、とにかく視覚的に吸い込まれる。読んだら戻ってこれない。なのに読み進めてしまう。そんな怖さがありました。妻が閉じ込められていたはずなのに最後は…というラストも衝撃的でした。
『ん』の車
酔い潰れた乗客がなんとか捕まえたタクシー。少し遠くの目的地を告げると、運転手に高速道路は使いたくないと言われる。それでもいいから高速道路を使えという乗客に運転手が告げたのは出会うと必ず死ぬ<おしへん>という付けられるはずのないナンバープレートをつけた車の都市伝説で…
高速道路の都市伝説と深夜の高速道路という本能的に怖さを抱く要素を組み合わせた作品。これは終盤で人間の人間らしさというか、欲に塗れた自己保身感が出るのが非常に良かったですね…いや怖いんですけど…そして最後ですよ…果たして乗客はどうなってしまったのか…
カミソリおっさん
女子高生達が暇つぶしに始めた怪談。そこで一人が語ったのはカミソリおっさんというお風呂に入っている間にある行為をするとやってくる殺人鬼の都市伝説だった。面白半分でそれを実行してしまった私。くるはずもないと思っていたカミソリおっさんだが、次第に日常にその存在が…
色々な都市伝説のモチーフを噛み合わせた作品。女子高生がパニくる姿は読んでいて本能的な不安を駆り立てられますね…そしてこの短編でも垣間見える人間の醜さ…あの4人とは絶対に友達になれないですね…最後はこれまてびっくりする展開かと思いきやさらに驚きの展開も待ち受けていて読む手が止まりませんでした。
サルソギ
ある寂れた街に取材にやってきた売れない小説家と写真家。彼らはある食堂に入る。そこで出されたのは醜悪な魚・サルソギの煮付けだった。それを食べた写真家は不可解な現象に巻き込まれていき…
不気味さが際立った短編。写真家と小説家が取材に来た街が実は…かもしれない。というところから始まり、醜悪な魚を食べてしまったことで巻き込まれる不可解な現象。写真家と小説家のキャラも好きでしたね。最後の展開まで含めて読んでいてゾワゾワする作品でした!
死に宿
樹海に首吊り死体お探しにきた<あざっす>と<VIO>のネット上で出会った二人。彼らは目的どおり首吊り死体を見つけるが、VIOは首吊り死体に導かれるように死に宿という宿に足を踏み入れてしまい…
1番死が近い作品でしたね。首吊り死体、誘われる宿、そこで起こる怪現象…どんどんパニックに陥っていくVIOの姿に読んでいるこちらも最後はどうなってしまうのかとハラハラしました。コケシはやっぱり怖いですね…
以上になります!
物語の構成上、この五つの短編は謎のラジオから流れる物語という設定なのですが、そこを語ってしまうと物語の本質的な部分に触れてしまうので…気になった方はぜひ!
それではこの辺で(≧(エ)≦。)
書籍情報
タイトル | 異世怪症候群 |
著者 | 最東対地 |
レーベル | 星海社FICTIONS |
ISBN | 978-4-06-520651-5 |