カテゴリ: 新潮文庫nex

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
久しぶりに大学に行きました。豪雨の中、たった一時間のガイダンスに行くのは辛かったです…

さて、今回紹介するのは河野裕さんの「その白さえ嘘だとして」です!
前巻の記事↓

ストーリー  A
島の要といっても過言ではない、インターネット通販が使えなくなってしまったクリスマスの時期のお話。今回も淡く、微かな痛みを覚えるストーリーは健在。最後の堀さんの手紙が個人的にはぐっときましたね。由宇は現実にいたら、面倒そうですが、この物語だとすごく引き立ちますね。

前巻と比べて A
ミステリ的、お話の好み的には完璧に今回のほうが良かったですね。読んでいて、適度に胸が苦しくなって、七草頑張れ、って思えるシーンが多々ありました。葛藤も、もやもやも青春だなと感じました。

今後の期待度 A
一般文芸として考えるなら、年二冊ペースの刊行スピードは普通ですが、もう少し早くなればいいな…まあ、12月に三巻が出るようなので、期待ですね! 次はバレンタインかな?

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日は雨なので、バイトがないのにどこにもいけません…とりあえず夕飯担当なので、食材は買いに行きます( ̄^ ̄)ゞ

さて、今回紹介するのは瀬川コウさんの「謎好き乙女と壊れた正義」です!
前巻の記事↓

ストーリー A
率直な意見として、青春ミステリとして面白い! 前巻に引き続き叙述トリックがありましたが、これが最高でしたね! くじ引きのトリックも面白かったですし、トリック面では言うことなしです! 学園祭という舞台も充分にいかしきれてました!

前巻と比べて A
遥かにこっちのほうが面白いです! 前巻もつまらなくはなかったですが、わかってしまうトリックがあったので(苦笑)今回は上記のトリックにやられてしまいました! 

今後の期待度 B
正直今回が良すぎたので、次回はもっと面白くないと、楽しめないかもです(^_^;)
ただ、青春ミステリとしてのレベルはかなり高いので、続刊を楽しみにしたいです!

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 
とりあえず今日は、あと二つ記事を更新します…

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
最近大学に行くのが楽しいです! でも、朝の満員電車は全然なれません。い、息苦しい…

さて、今回紹介するのは瀬川コウさんの「謎好き乙女と奪われた青春」です!
瀬川コウさんは昨年「完全彼女とステルス潜航する僕等」でデビュー。今作はE★エブリスタに投稿され、スマホ小説大賞新潮文庫の賞を受賞したものです。

最近E★エブリスタ経由でデビューする作家さんも増えてきましたね…特にライトミステリや青春ものは多い気がします。

ざっくりとしたあらすじ。
生徒会に所属し、ミステリを引き寄せてしまう体質故にみんなに疎まれる存在の八斗春一。彼は入学式で新入生の美少早伊原樹里に出会う。彼女は日常に潜む謎を求めていた。図らずもミステリを引き寄せてしまう体質を持つ春一は彼女と共に日常の謎を解くようになる…とこんな感じです!

ジャンルは青春ミステリ。この手の作品には珍しく主人公が実質的な探偵役です。かと言って明確な助手役がいるわけでもないです。
作品は五つの短編が収録された連作短編集形式となっています。

まず作品の特徴としてあげたいのは非常にテンポが良いです。ミステリは作品の性質上じっくり状況が説明されたりしてテンポはあまり意識されたりしませんが、登場人物同士の軽い掛け合いや軽快な謎解きがこの作品では楽しめます!

また、ミステリの核である謎解きもなかなか良質です。特に一話のトリックは単純ながらそこまで考えが至らなくて思わず「へぇー」となりました。それに加えて春一と早伊原の掛け合いや、付かず離れずの距離感がたまりません。こんな高校生活を送りたかったです(苦笑)

上記でテンポが早いと言いましたが、謎解きもテンポが早く、あまり読みながら考える時間がないので本格ミステリが好きな方はオススメできませんが、二転三転する展開やほろ苦い青春を楽しみたい方にはオススメです!

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日はマックで勉強しようと思い、勉強道具を持って入店。友達からもらったコーヒー無料券を使ったら、Sサイズ無料orMサイズ50円だったためか無料のSサイズではなくMサイズで注文されてしまいました( ꒪Д꒪)
まあ、いいんですけどね…ただ、やっぱり量は多かったw

さて、今回紹介するのは秋田禎信さんの「ひとつ火の粉の雪の中」です!
秋田禎信さんは17歳の時今作第3回ファンタジア長編小説賞を今作「ひとつ火の粉の雪の中」で受賞(準入選)しデビュー。以後は「魔術士オーフェン」シリーズで神坂一さんの「スレイヤーズ」シリーズと共に初期の富士見ファンタジア文庫を支える売れっ子小説家となりました。現在は活動の幅を一般文芸にも広げ、また本職のライトノベルの分野でも「巡ル結魂者」シリーズを展開中です。また、今作はデビュー作を新潮文庫nexから再刊したものです。

秋田禎信さんの作品は前述の「巡ル結魂者」シリーズしか読んでおらず、そちらは若干状況把握がしづらい一人称で物語を進める作家さんだなー、文章もなんだが読みづらいなー、なんて感想を抱きましたが(内容は滅茶苦茶面白いです!)今作は昨今の小説ではあまり見なくなった古い言葉を多用した三人称で淡々と物語が進行していきまるで違う作家さんが書いているように感じました。

ざっくりとしたあらすじ。
最強の修羅、鬼斬りとして生きる大男鳳は、鬼によって滅ぼされた村で鬼の血をひく少女夜闇と出会う。鬼を斬ることが使命である鳳だが、夜闇と共に旅に出る。夜闇の強大な力を狙う者どもが2人を襲うが、鳳は夜闇を守るために戦う。なぜ鳳は夜闇を守るために戦うのか…とこんな感じです!

ジャンルは和風ファンタジー。久々に和風ファンタジーは読みましたが、やはり和風は西洋や北洋ファンタジーとは違う荘厳さが感じられて肌に馴染むものがあります。

物語的には日本神話に古典文学を合わせたようなそんな感じのストーリーで、ストーリー性はそこまで高くはありません。しかし、これを当時17歳が書いたのかと思うと末恐ろしいものがありました。

人を殺す鬼と、鬼を殺す鬼斬り。この2つの背反するものが物語中でうまく対比されています。鬼の血をひく夜闇は無邪気な少女、人ですらない修羅と呼ばれる鬼斬り鳳は寡黙で無表情な男。この真逆の性格も上記の対比を補充するものとしていい味を出しています。

注目して欲しいのが夜闇が自分の力を狙う者に連れ去られ、そこである1人の少女と出会う場面です。ストーリー上はあまり意味を持たない1場面ですが、少し深読みするならそれが夜闇にとっての「救い」なのではないかと感じます。鬼の血をひく者として生まれ、人間ではない夜闇が再び人の温かさに触れることができたのは、自分の力を狙う者に攫われたという幸運があったからこその偶然の産物ながら、運命から与えられた夜闇に対する最高のプレゼントだったのではないかと個人的には思います。

この作品は一巻完結済みです。難しい言いまわしが多々見られるので270p程度の小説にしては読み応えがあると思いますが、和風ファンタジーとしてかなりのレベルにあるのでオススメです。
また、1度この作品を読んだことがあるという方も最後に閑話として追加エピソード、後日談的なものが書き下ろされているのでもう一度読んでみるのもありだと思います。

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 



どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日は久しぶりに少し家から遠い古本屋に行ったんですけど、お金がない時に限って欲しい本が置いてありました(。-(ェ)-。 )マジでタイミング悪い…

そんな憂鬱気分の中紹介するのは青柳碧人さんの「ブタカン~池谷美咲の演劇部日誌~」です!
青柳碧人さんは2009年に「浜村渚の計算ノート」で講談社Birth小説部門を受賞しデビュー、浜村渚の計算ノートシリーズは累計50万部を売り上げ、コミカライズもされるなど主にライトミステリのジャンルで活躍されている作家さんです。

ちなみに、講談社Birthは29歳以下の応募者を対象にした小説賞で、受賞者は青柳碧人さんの他にタレントや女優としても活躍されているうえむらちかさんがいます。

青柳碧人さんの作品は浜村渚の計算ノートだけは読んだことがあったのですが、1巻の作中の割り算の描写で「0で割ったらいけません!」みたいなのがあって(ネタバレになるので詳しくは触れませんが)ガッツリ文系の僕は「はあ?」となって理系ミステリは、トコトン肌に合わないことを実感しました(苦笑)

ざっくりとしたあらすじ。
都立駒川台高校に通う池谷美咲は父親が開いたギョーザ専門店の事業失敗のおかげで、家計のため日々アルバイトでお金を稼ぐ日々を送っていた。
このまま青春が終わるのか、そう思った高校二年生の6月、なんと叔父が宝くじを当て、借金の肩代わりをしてくれたおかげで美咲はアルバイトから解放され、人並みの青春を送れる環境を手に入る。
部活を始めようと親友のナナコに話を持ちかけると、彼女は自身が所属する演劇部の舞台監督をやらないかと美咲に勧め…と、こんな感じです!

ジャンルは青春学園部活もの(文化系)、ミステリ要素はありますが、断じて部活ミステリなどではありませんw なので米澤穂信さんの古典部シリーズや、初野晴さんのハルチカシリーズような作品に期待している人は注意が必要です。

どうして新潮文庫nexはミステリではないのにやたらミステリミステリと帯で謳うのでしょうか? MW文庫のビブリアの後追いでしょうか? 別にキャラノベ、ボーダーライン、中間小説のジャンルでそればっかりやっても中身がミステリしてなくちゃ別ものだって(苦笑)

お話としては、とある病気で入院することになった親友ナナコな代わりに美咲が演劇部の舞台監督略してブタカンをやることになり、奇人変人の集まりである演劇部に振り回されながらも文化祭で最高の劇を披露するために奮闘するという感じでしょうか? 
こういったタイプの作品は熱血に走りがちなんですけど、主人公が女性故に適度にメリハリがあって非常に親しみやすかったです。

ただ、奇人変人の集まりという割りにはあまり奇人変人感が足りないような…最初に紹介される親友ナナコの武勇伝がどうもハードルが高くて、それを見てしまうと他の演劇部のメンバーがどうしても普通に思えてしまうんですよね。鼻血をよくだすまい先輩や、夜の学校に侵入してすき焼きを食べる早乙女先輩、やたら色んなことに詳しくトミー、大工道具の扱いが非常にうまいりかぽん…各キャラは個性的ではあるんですけど、どうも弱い。
後、女性主人公だから、今後も続きが出るから、そういった理由からか早乙女先輩以外の男子メンバーの紹介は非常にあっさりしていてあれ?そんな奴いたっけ? 状態に陥ることもありました。

また前述したミステリ要素は作者vs読者の謎解き対決が出来るタイプではないので「あー、なるほどね」くらいで読む感じがちょうどいいと思います。

少し批判的な意見を上に書きましたが内容は総じてレベルが高く、同じくシリーズものして始まった河野裕さんの「いなくなれ、群青」より続きが楽しみな作品でした。
演劇部という題材にされることはありながらも、その裏方にスポットライトを当てた作品は珍しく思いました。初めて見るような演劇用語も解説を読めばすんなり理解できるよいになっていて、そこは好印象でした。

青春部活ものが読みたい方には是非オススメです。また、アナウンスはされていませんが、読んだ限りでは回収されていない伏線や続きを示唆する文章があったのでシリーズものとなるようです。今後新潮文庫nexの看板作品になるかもしれないので、気になる方は是非ご一読を。

さて、毎月新潮文庫nexの新刊を紹介してきましたが、来月はなんと読みたい小説がないという悲劇が起こりました(´Д` )どうして杉江松恋さんの小説しか出ないんだよ、もう弾薬切れかよ!
ということで、月1の新潮文庫nex紹介企画は既刊の中から選びたいと思います。今のところは「天久鷹央の推理カルテ」か、「スキュラ&カリュブディス」を紹介するつもりです。再来月の新刊は秋田貞信さんの「ひとつ火の粉の雪の中」を紹介します!

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 
明日は時間が取れそうなので久しぶりにライトノベルの調査企画やります!

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