どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日は久しぶりに雨が降っていきなり寒くなりましたね。寒いのは嫌いなのでこれから冬になるとなると憂鬱です(。-(ェ)-。 )
さて、そんな中紹介するのは谷川流さんの「絶望系」です!
谷川流さんはご存知の方も多い通りスニーカー大賞の数少ない大賞受賞者で、受賞作であり代表作でもある「涼宮ハルヒ」シリーズは世界的な大ヒットとなり、スピンオフ作品である「長門有希ちゃんの消失」は2015年にアニメ化することも決定しました!
しかし、涼宮ハルヒシリーズの事実上完結作を出版した後は短編以外の作品発表はなく、この作品が約3年振りの新刊となります。まあ、新刊といっても昔電撃文庫で発刊されたものの再刊ですが…
余談ですが、この作品は昔どこかのブログがやっていたライトノベル三大奇書に選ばれたことがあります。桜庭一樹さんの「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」、中村九郎さんの「ロクメンダイス」とともに選ばれていました。上記二つは読んだことがありしたが、この作品もなるほどこれは奇書だな、と思わせてくれます。
さて、新潮文庫nexが創刊されたことを知っている人はいると思いますが、読んだことがないという人はまだまだ多いと思います。なので、新潮文庫との簡単な違いを紹介したいと思います。
・紙が普通の新潮文庫に比べて上質。
・カバーをとれば装丁は同じ。
・文庫では新潮文庫と星海文庫しか残っていないスピン(紐状の栞)はない。
・本屋によってはライトノベルのコーナーに置かれている。
と、以上4点が大きく違う点です。
ぶっちゃけ紙の質が上がったのは読者として一番うれしいことでした。新潮文庫の本は上部の紙の高さが違いガタガタで、紙も薄かったので、これに関しては新潮社は本当に英断をしたと思います。
話がそれましたが、ざっくりとしたあらすじを。
夏休みのある日、杵築は烏衣ミワと日課であるデートに興じていた。そんな時友達の建御から電話がかかってくる。
「俺の家に、天使と悪魔と死神と幽霊がいる」
建御に助けを請われた杵築は天使と悪魔と死神と幽霊を追い出すために街で起こる連続殺人事件について調査をすることになる…とこんな感じです。
な、なんだこのあらすじは! と思った方も多いと思いますが、序盤はだいたいこんな感じです。
谷川流さんの作品は今まで涼宮ハルヒシリーズしか読んでいなかったのですが、あの軽妙な一人称で物語を進めるのを持ち味としていた作家さんが、三人称視点でこんなにもよくわからないものを詰め込んだもの書き上げたなーと素直に感服しました。というか、読んでいくうちにこれは谷川流ではない他の誰かが書いたものではないかと思う程でした。
後、帯に「暗黒ミステリ」と書いてありますが、暗黒はともかくミステリ要素は弱めです。きちんと伏線が張られて綺麗に回収されはするのですが、犯人があまりにもわかりやすいので、この作品はミステリよりもカオスな暗黒小説として楽しむのがいいのかもしれません。
この小説はとにかく天使(巨乳浴衣美人)と死神(裸幼女)の意味のない、というか掴みどころない会話の応酬で進んでいきます。小難しい理論を展開したと思ったら、それをいきなり畳んだりと最初のうちは( ゚д゚)としたまま100pほど会話が続きます。
物語が本格的に動き出すのは幽霊の死因が分かるあたりから。そこからは今までの展開とは違い割とスピーディに話が進んでいきます。
そして、最後の人間は不要と神々がばっさり切り捨てるところは、展開をきちんと踏むと結構考えさせられたりします。
最後の一行まで楽しめた小説は久しぶりなので、ブラックでカオスで意味のわからないような小説を読みたい人にはオススメです。
それではこの辺で(≧(エ)≦。)
来月の新潮文庫nexは青柳碧人さんの新作を紹介したいと思います!