カテゴリ: 青春もの

どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのは森絵都さんの

「宇宙のみなしご」

です!
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☆感想☆

中学2年生の陽子と一つ年下の弟のリン。2人の兄妹は両親が幼い頃から仕事で忙しかったこともあり、自己流の遊びを生み出してきた。そんな2人がある日編み出したのは近所の家の屋根に登るというもの。リンと同じ陸上部で陽子と同じクラスの七瀬さん、陽子と同じクラスで男子からはパシリ扱いされているキオスクも加わり4人の不思議な青春が始まる…

森絵都さんの中編小説。森絵都さんの作品を読むのは「アーモンド入りチョコレートのワルツ」以来ですね。今作は中学2年生の少女を主人公にした等身大で力一杯な青春中編小説として楽しく読ませていただきました。面白かったです。

物語は陽子とリンの幼少期のエピソードから始まります。未熟児として生まれたものの、しばらくすると超パワフルになった陽子。反対に4000グラム台で生まれてきたのにおっとりとした性格のリン。対照的な2人が不在にしがちな両親の穴を埋めるようにオリジナルな遊びをしていたことが描かれます。短いページながら2人のことを良く知れる印象的な序盤でしたね。

そして2人は屋根に登るという遊びを思いつきます。なるべく登やすい屋根に、深夜に、物音を立てずに、逃げ道も考えた上で登る。中学生がするには少し幼く、スリリングな2人の屋根のぼりは非日常と鼓動高鳴る遊びの魅力があり、読み手を引きつける不思議な魅力があります。

そんな屋根のぼりの遊びにリンと同じく陸上部に所属する七瀬さんも加わります。陽子と同じクラスで決して目立つとは言えない、クラスのグループ内の立場も微妙な彼女が加わる。勇気を出した七瀬さんの挑戦は、しかし同じクラスの不思議な思想を持つパシリな男の子・通称キオスクに目撃されてしまいます。

そしてキオスクまで屋根にのぼることになり、4人は再び屋根のぼりに挑戦します。しかしキオスクはビビって登ることができません。さらには数日後、キオスクが自殺未遂をしたという噂が…陽子だけはキオスクが1人で屋根のぼりをしようとして失敗したことに気づきます。屋根に登れなかったキオスクという狭い日常にいる少年に、屋根に登れる非日常の少女である陽子が手を差し伸べる。そんな終盤は静かででも鮮烈に印象に残りました。

どこまでも爽やかで、でも屋根のぼりという非日常のスパイスが効いている。そんな青春ものが読みたい方はぜひご一読を。180p未満でお値段も500円以下と手軽に読める作品です。


それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

宇宙のみなしご



著者

森絵都



レーベル

角川文庫


ISBN

978-4-04-394108-7

表紙画像のリンク先


どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのは和ヶ原聡司さんの

「エルフの渡辺」

です!
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☆感想☆

ストーリー A
内容は、写真部に所属する大木行人は園芸部に所属する渡辺風花をモデルに写真をとっていた。あまり目立たないが花が好きでかわいい風花。そんな彼女のことが好きになった行人は意を決して風花に告白する。するとなぜか風花の姿が一変⁉︎なんと彼女はエルフの姿になってしまう。風花の正体がエルフだと知った行人は戸惑いながらも風花との交流を続けていくが…ちょっと不思議なエルフとの青春恋愛が始まる!とこんな感じです!

〜好きになった女の子の正体はエルフ⁉︎〜

和ヶ原聡司さんの新作!個人的には「ドラキュラ夜勤!」以来の和ヶ原さんの作品ですね!今作は普通の男子高校生とちょっと変わった?エルフな女の子の青春恋愛ものとして楽しく読ませていただきました!面白かったです!
まずは序盤。行人と風花の出会い、そして行人が風花に告白し彼女の正体がエルフだとバレるところから物語が始まります!写真部に所属し風花をモデルに写真を撮る行人、園芸部に所属し切り花で賞をもらった風花。風花の創った切り花に一目惚れした行人が風花自体をモデルにするようになりそして風花のことを好きになり…いいですね…この文系っぽい淡い恋愛…2人ともなんだかんだでお互いのことが好きだと伝わってくるのがまたピュアピュアで良き!そして行人は意を決して風花に告白しますが、なんとその瞬間風花の姿がエルフに!混乱する行人に風花が実はえるの末裔であること、魔法で日本人の姿に見えていたが本来の姿はエルフであることを伝えられます。なかなかの超展開ですが、ここで告白を有耶無耶にしちゃう行人はなんか気になっちゃいますね…まぁ高校生の好きなんてそんなものかって感じでもありますけど…風花もいい感情は抱かないでしょうし…
閑話休題。
そんなこんなで風花の正体がエルフであることを知った行人はエルフな風花、エルフの渡辺のことも好きになれるようにと彼女への理解を深めていきます。ちゃんとエルフである風花に向きあっていく過程はよかったですね!風花の後輩である小滝泉美も加わって物語はさらに賑やかに!写真のこととかもしっかり描かれていて行人の写真部としての活動も楽しく読めましたね!終盤では風花の故郷であるエルフの国に向かったことでちょっとしたトラブルに…それでも風花のことを真剣に考え向き合う行人はかっこよかったですね!最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
行人は写真が好きな普通の男子高校生!風花に告白した後の態度はちょっとかなり気になりましたがその後はしっかりと風花に向き合っていていい主人公してましたね!風花は園芸部所属で目立たないけどかわいい女の子!好きなことになると饒舌になったり、行人に直接的な好意を伝えられると恥ずかしそうにしたり…見ていて楽しいかわいい女の子でした!エルフ姿もグッド!風花の後輩の泉美ちゃんも可愛かったです!

最後に
ちょっと変わった青春恋愛ものとして楽しく読ませていただきました!これはぜひ続きが読みたいですね!まだまだ行人と風花の物語は始まったばかりだと思うのでこれからが楽しみです!続刊待ってます!

どんな人にオススメか?
ちょっと変わった青春恋愛ものが読みたい方は!好きだった女の子がエルフだったら?というシチュエーションをしっかり掘り下げた魅力的な作品です!行人と風花のピュアなやりとりも楽しい!気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

エルフの渡辺



著者

和ヶ原聡司



レーベル

電撃文庫


ISBN

978-4-04-915911-0

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さて、今回感想を書いていくのは岩倉文也さんの

「魂に指ひとつふれるな」

です!
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☆感想☆

大学生にして詩人としてデビューしたミズキ。彼はSNSの繋がりで無職かクリエイターばかりが暮らすシェアハウス通称<ファクトリー>に入り浸っていた。そんなある日、年上のイラストレーターの風花と出会う。ミズキの詩に惹かれたという風花のエキセントリックな部分にミズキは徐々に惹かれていく。そして2人は一緒に本を作ることになる。風花の危うい才能に惹かれたミズキだが、未曾有のパンデミックが世界を襲う中で2人の距離感は不安定さを増していく…

詩人・岩倉文也さんの小説第三弾。前作「透明だった最後の日々へ」が面白かったので今作も楽しみにしていました。純粋に忙しかったり、この作品は読むと絶対に<くらう>ので精神的に落ち着いてからにしようとちょっと発売から時間が経ってしまいました。満を持して本日読了しましたが、案の定やられてしまいました…少しでも創作というものに触れたことがある人なら確実に刺さる究極の青春×恋愛×クリエイターものでした。面白かったです!

物語は詩人としてデビューしたばかりのミズキがクリエイター…というか無職が集うシェアハウス<ファクトリー>に出入りするシーンから始まります。最初は変人たちが集まっているなーくらいの解像度なのですが、徐々に彼らが輪郭を帯びていく過程や風花というイラストレーターが特別な存在であることが読やすくかつ印象的な文章で描かれていきます。前作でも思いましたが、この文章は岩倉さんだからこその文章ですよね。

そんなシェアハウスに暮らす人々やSNSでの薄い繋がりで生きるミズキに風花が「一緒に本を作らないか?」と持ちかけたことでお話は動き始めます。すでにイラストレーターとしての人気を確立している風花とデビューしたばかりのミズキ。そんな2人は数ヶ月の間、お互いの魂を削るように天使というテーマを書き続けます。

そして2人が作った本は発売されるのですが、ミズキが風花に向ける感情は次第に変化していきます。パンデミックの中、人と人との繋がりが希薄になっていく世界。クリエイターという名の無職が集まったシェアハウスは解体され、みなそれぞれの道を歩んでいく。大学生活に終われながらも創作を続け、創作を需要するミズキに対して、絵が描けないという状態がどんどん酷くなっていく風花。

そうした2人が迎える結末は、この物語らしく、そして鮮烈に印象に読者に印象を残すものでした。ラストシーンはどれだけ拙くても創作というものに少しでも手を触れたことがある人ならこの先一生忘れないようなものでした。こんな読書体験は久しぶりです。

少しずつ変わっていくものが、刹那的にかつ一瞬を捉えて離さないように描かれ、読み手を魅了していく。何気ないように見える文章の一文一文に岩倉さんの力を感じる作品でした。もうとにかく読んでください。そしてくらってください。この作品のパワーを。超オススメです!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

魂に指ひとつふれるな



著者

岩倉文也



レーベル

星海社FICTIONS


ISBN

978-4-06-537678-2

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さて、今回感想を書いていくのは神戸遥真さんの

「嘘泣き女王のクランクアップ」

です!
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☆感想☆

中学2年生の豊川波留は生徒会に所属するちょっとお堅い少年。そんな彼はある日、映像研究会の凜子が嘘泣きしている場面を目撃してしまう。成り行きで映像研究会が制作する映画で主人公を務めることになる。映画を撮影する中で波留と凜子の距離は少しずつ縮まっていくが、凜子の嘘泣きの理由を知ってしまい…

神戸遥真さんの最新作!神戸遥真さんの作品を読むのは個人的には「かわいいわたしのFe」以来ですね!色々積んではいるのですがなかなか読む時間がなく…今作は中学2年生の波留と凜子を中心とした夏の青春ものとして楽しく読ませていただきました!面白かったです!

まず序盤。波留が凜子の嘘泣きの現場に出会うところから物語は始まります!堅物で演劇を見て泣いている同級生に「男なら泣くな」といってしまうタイプの少年・波留。そんな彼は嘘泣きでピンチを乗り越える凜子を目撃します。そして波留は成り行きで彼女の所属する映像研究会の新作映画に主演として出演者することになります。

最初は感動ストーリーな映画の撮影や、どこか距離を縮められない凜子との関係に苦労する波留。しかし徐々に凜子と距離を縮め彼女のことを名前で呼べるまでになります。波留の初々しい感じや凜子の普段は余裕な感じなのに、たまに波留から来るとドキッとしているところとか青春でいいですよね!

物語は凜子が嘘泣きをする理由に触れるあたりから本格的に動き出します。両親の喧嘩を止めるために嘘泣きを続けた結果、自分がわからなく凜子。波留の思いは凜子に届かず2人の距離はまた広がって…それでも波留が今期よく凜子に向き合っていく過程がすごくよかったですし、等身大でかっこよかったです!

ラストはこれ以上にない展開でこの作品で1番望んだものだったと思います!中学生向けなので普段このブログを読んでいる方にはちょっと手に取りづらいかもしれません。ですが、大人になった今、普段仕事で忙しい日々の中でこの本に元気づけられたり癒されることができるのではないかと思います。気になったかたはぜひ!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

嘘泣き女王のクランクアップ



著者

神戸遥真



レーベル

ティーンズ文学館


ISBN

978-4-05-206038-0

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どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのは九条蓮さんの

「壊れそうな君と、あの約束をもう一度」

です!
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☆感想☆

ストーリー A
内容は、疎遠になっていた幼馴染・望月祈織の両親が亡くなってしまったことをきっかけに彼女と一緒に暮らすこといなった月城廉司。幼い頃から想いを寄せている彼女との関係を修復したいと思うものの、何もできずに10ヶ月の日々がすぎてしまう。そして迎えた高校2年生の始業式。廉司は祈織に歩み寄ろうと決心するが、廉司の秘密を知る愛華に告白される。果たして廉司はもう一度祈織との幼馴染の関係をやり直すことができるのか。そして自分の想いを伝えることができるのか…とこんな感じです!

〜幼馴染ともう一度〜

九条蓮さんの新作!個人的には初挑戦の作家さんですね。疎遠になってしまった幼馴染同士の廉司と祈織が少しずつ関係を修復し、元の幼馴染以上の関係になる青春ものとして楽しく読ませていただきました!面白かったです!
まず序盤。廉司と祈織の日常が描かれます。両親が亡くなったことをきっかけに廉司の家に居候することになった祈織。なんとか距離を近づけたいものの事務的な会話しかせずに10ヶ月がすぎてしまい…いやこの状況祈織ちゃんかわいそうすぎません…?頼りにしていた幼馴染とは事務的な会話しかできないし、廉司の母親にはいびられるし…こんなにヒロインの境遇が酷い同居もの初めて見ましたよ…そんな2人の関係ですが、廉司が彼女と同じクラスになり関係性を変えたいと思うようになったことで少しずつ変わっていきます。祈織が好きなキャラクターのグッズをプレゼントしたり、祈織が廉司がひっそりと続けている動画投稿サイトへの弾いてみた動画を聞いていることを知ったり…お互いの好きなものや大切にしているものを通じてかつてのように会話できるようになる2人が魅力的でしたね!しかし2人の関係も順調にはいきません。始業式の日に告白してきた愛華と一緒に遊びにいったりして少しずつ距離が縮まっていて…そんな2人をみて祈織はもちろん思うところがないわけではなく…愛華との関係性は廉司がちょっと誠実ではないのでは?と思うところもありましたが、まぁ難しいですよね…終盤では明確に変化してしまった関係性に廉司がちゃんとケリをつけにくのが印象的でした!最後まで楽しく読ませていただきました!

キャラ A
廉司は一緒に暮らしてる祈織を10ヶ月も事務的な会話だけの関係にしたり、祈織のことが好きなのに愛華ともなぁなぁで関係作ったりしていて思うところがないわけではないですが、最後はしっかり決めてくれたのでヨシ!祈織は控えめでかわいい女の子!儚げな印象を受けますが、しっかりと自分で決める決断力もあり芯の通った女の子でしたね!愛華はギャルっぽい見た目に反してしっかりと相手のことを考えられるいい女の子でした!

最後に
幼馴染とやり直す青春ものとして楽しく読ませていただきました!こういう青春もの久しぶりに読んだので色々新鮮でしたね!

どんな人にオススメか?
青春ものが好きな方は!廉司の祈織への向き合い方で多少好みが別れそうですが、個人的には最後でしっかりと向き合っていたのでよかったですね!気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

壊れそうな君と、あの約束をもう一度



著者

九条蓮



レーベル

MF文庫J


ISBN

978-4-04-684171-1

表紙画像のリンク先


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