カテゴリ: 青春もの

どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回紹介するのは羊思尚生さんの

朝比奈さんの弁当食べたい

です!
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ストーリー A
内容は、クラス一の美少女である朝比奈亜梨沙が作ってきたお弁当はどう見てもマズそう。そんなマズそうなお弁当になぜか一目惚れした牧誠也はお弁当を食べさせてほしいと彼女に告白する。誠也の告白を馬鹿にされたと感じた朝比奈さんは当然彼のことを振るが、誠也の諦めの悪さに徐々に惹かれていく。しかし誠也には朝比奈さんが知らない悩事情を抱えており…とこんな感じです!

〜お弁当が食べたいわけ〜

参加させていただいているHJ文庫公式レビュアープログラムの作品。ありがとうございます。作者の羊思尚生さんは今作がデビュー作ですかね?気になる点は多かったですがこの作品でどんな物語をやりたいのかがラストに凝縮していて個人的には楽しませていただきました!面白かったです!
まず序盤。朝比奈さんが突然持ってきたマズそうなお弁当に一目惚れした誠也が彼女に告白するところから物語は始まります。最初はインパクトがありつつもどうして告白するに至ったかわからない告白に戸惑いを感じましたが最後まで読むと序盤のこのシーンはなるほどなと思いました。朝比奈さんはお弁当を食べたいという誠也の告白を馬鹿にされていると感じて当然のように彼のことを振りますが、諦めきれない誠也は後輩女子のアドバイスに従いながら朝比奈さんへの猛アタックを始めます。この不器用さが誠也らしくていいですね。そんな風に諦めの悪い誠也に徐々に心を開いていき、そして誠也の言葉で彼に恋心を抱く朝比奈さん…朝比奈さんにだからこそ響く言葉で朝比奈さんが彼に惹かれるのは良かったですね。中盤以降は誠也を取り巻く環境が徐々に明らかになり、そしてそれを知らない朝比奈さんが誠也のことを誤解してしまい…朝比奈さんの気持ちも分かりつつも誠也の事情も知るとなんともいえない気持ちになりますね…でも終盤ではそれを覆すような素敵なラストで最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
誠也は自身の抱える問題から色々大変な少年。でも周りの人に恵まれて、彼自身も彼なりに頑張る姿は応援したくなりますね。朝比奈さんはTHEお嬢様といった感じですがそんな彼女の知られざる胸の内や誠也に対する思いが良かったですね。そのほかのキャラも魅力的でした。

最後に
気になるところはいくつかありましたがそれ以上にやりたいことをしっかりやっているという印象を受けた青春ものでした。綺麗に終わっていますがこれからどうなるんですかね?続編があるならぜひ読みたいですね。

どんな人にオススメか?
ちょっと変わった青春ものが読みたい方は!気になる点はいくつかあるのですが、それ以上に作者さんのやりたいお話をしっかり最後までやっているのが好印象です。気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

朝比奈さんの弁当食べたい



著者

羊思尚生



レーベル

HJ文庫


ISBN

978-4-7986-2865-3

表紙の画像は「版元ドットコム」様より



どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回紹介するのは伊尾微さんの

あおとさくら

です!
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ストーリー A
内容は、色々と問題を抱え笑えなくなった藤枝蒼は放課後に図書館で1人で本を読むことを日課としていた。そんなある日、日高咲良という他校の女の子が話しかけてくるように。最初は彼女の存在を疎ましく思っていた蒼だが明るくよく笑う咲良に次第に心を許していく。図書館だけしか接点のなかった2人は徐々に距離を近づけていくが、ある日を境に咲良は図書館にこなくなってしまう。果たして咲良に何が起きたのか…とこんな感じです!

〜笑えない蒼は少しずつ〜

第14回GA文庫大賞金賞受賞作!表紙とあらすじから気になっていましたが想像を超える青春ものでしたね!主人公の感情を丁寧に描写したいい青春ものでした!面白かったです!
まず序盤。青と咲良の出会いが描かれます。色々あって笑えなくなり友達もいない蒼は放課後図書館で過ごすことを日課にしています。そんな彼は咲良という明るくてよく笑う蒼とは対照的な少女が話しかけてきたことをきっかけに少しずつ変わっていきます。笑えなくなったが故に卑屈になっていた蒼がしつこく絡んでくる咲良に徐々に心を許していき、少しずつ会話するようになっていく過程が純粋で見ていて微笑ましかったですね。放課後の図書館を接点にして交流を重ねていく2人。最初は少し話すだけだった2人が少しずつお互いのことを知って一緒に出かけるようになって…そんな中で主人公の心情がすごく丁寧に描かれるのがよかったですね。この主人公の心情描写がしつこくなく、かつ十分すぎるほどに描かれるので笑えずに卑屈になっている主人公がなぜ咲良という少女に心を許し彼女のことをもっと知ろうと思っているのかすごくよく伝わってきます。と順調に青春を深めていく2人ですが、ある日を境に咲良と連絡が取れなくなります。ここからが本当にめちゃくちゃよかったですね…咲良と連絡が取れなくなって初めて彼女のことを何にも知らないことに気づいて…咲良に会いたいけど会えないことの焦燥感とかわずかな手がかりをヒントに咲良にもう一度会おうとする蒼は序盤とはまるで別人でその変化がめちゃくちゃいいですね。終盤の蒼と咲良のシーンは文句なし!最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
蒼がすごくよかったですね!笑えなくなって卑屈っぽくなている理由とか丁寧に語られる心情とかがすごく印象的でした!咲良は蒼から見ると明るくてよく笑う素敵な女の子なんですけど実は…というギャップがすごくよかったですね。青春真っ只中の少女とはまた違った魅力がありました!

最後に
蒼と咲良の関係を丁寧に描いたいい青春ものでした!1巻完結でもいい気がしますが2巻があっても…なので今後が楽しみですね。2巻でも新作でも伊尾さんの作品がまた読めるの待ってます!


どんな人にオススメか?
恋愛要素少なめの主人公とヒロインの1対1の青春ものが読みたい方は!主人公の心情がすごく丁寧に描かれるのが好感度高いです!椎名くろさんのイラストもグッド!気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

あおとさくら



著者

伊尾微



レーベル

GA文庫


ISBN

978-4-8156-1628-1

表紙の画像は「版元ドットコム」様より



どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回紹介するのは八目迷さんの

ミモザの告白2

です!
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前巻の記事↓


ストーリー A
内容は、汐が女子用の制服を着たことで始まる衝撃的で慌ただしい一学期が終わり夏休みに突入。汐のキスという印象的な出来事からはなるべく目を逸らしながら咲馬は汐と過ごしていた。そんなある日、咲馬と汐と夏希の3人で水族館に行くことに。3人一緒となればあの出来事を避けることはできず…そして迫る文化祭。文化祭実行委員になった咲馬と夏希は日々忙しい日々を送る中、汐はクラスの出し物のロミオとジュリエットでジュリエット役をやることになり…とこんな感じです!

〜たった一言で〜

シリーズ第二弾!一巻を読んだのがほぼ一年前とだいぶ久しぶりに2巻を読みました…遅くなりましたね…2巻はうまくいかない人間関係の焦燥感とやすれ違いが印象的なお話でした。面白かったです!
まず序盤。家にいづらい汐が咲馬の家で夏休みを過ごすシーンが描かれます。きっと咲馬と汐の距離は本当はこれが最適解なんでしょうけど、2人の間に横たわるものが大きすぎて気軽にと行かないのが難しいところですね…この距離感で夏休みが終わらずに時々汐のことにはっとして、一緒に勉強して、映画を見て、本を読んで…そんな日々が続けば2人にとってどれだけよかったんでしょうかね…夏休みということもあり3人で水族館に行くことに。女性らしい格好をする汐にドキッとしたり夏希と距離を近づけたい咲馬の行動であったり、それを見つめる汐の姿であったり…いやでも向き合わなくちゃいけないあの出来事に現実が重くのしかかります。うん。苦しいや。そして夏休みも終わりお話は文化祭へ。クラスの出し物ではロミジュリをやることになりロミオ役を咲馬、ジュリエット役を汐がやることに。もちろんジュリエットを汐がやることで反発するのは西園さん。彼女もなかなか息苦しい生き方をしているなと思う一方、どこか根っこのところでは咲馬も変わらないのかなと思ったり…一方の夏希は咲馬と共に文化祭実行委員をやり、さらには文化祭実行委員長になります。委員長としてうまくいかないことが多くて空回りする夏希。それに釣られるようにして空回っていく咲馬に、あえて本音とは違う行動をする汐…なんでこんなに面倒なことになっているんだ。なんでこんなに苦しいんだということがもどかしくて、でもどうしようもなく青春で…どこか固定観念に囚われる咲馬の行動の一つの答えがあのロミジュリのラストなのかもしれませんね…今回も最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
咲馬はなんでこんなに苦しんでいるんだと思っちゃうほど空回っていますね…でも結果的に色んな人とぶつかり合ってすれ違う中であのロミジュリのラストだったのかなと思います。汐は強かですね…1巻の脆いイメージはすっかり消えちゃいました。でも汐も汐で色々抱えているものがあるのが行動から伝わってきてまた辛い。夏希は今回やることなすこと全部不正解で空回っていたのであのラストはめちゃくちゃよかったです。

最後に
苦しくてすれ違いぶつかり合う姿が印象的でしたがやっぱり好きだなと思うお話でした。今回で咲馬が少し変わったのかな?と思うので3巻が楽しみです!


それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

ミモザの告白2

著者

八目迷



レーベル

ガガガ文庫


ISBN

978-4-09-453047-6

表紙の画像は「版元ドットコム」様より



どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回紹介するのは作者さんの

笹森くんのスカート

です!
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ジェンダーフリーの制服が導入された高校。そんな高校に通う笹森くんは、夏休み明けのスカートを履いて登校してくる。最初は戸惑っていた周囲の生徒たちだが笹森くんのさっぱりとした性格もあり次第にそれを受け入れていた。しかしそれに思うところがある生徒もいて…文化祭が近づくなか笹森くんを中心に5人の少年少女たちの物語が始まる…

神戸遥真さんの新作。ジャンルとしては児童書というよりYAで良いのでしょうか?夏休み明けに突然スカートを履いてきた笹森くんを中心とした青春群像劇。200pちょっとの短い物語ながらこの作品は一生忘れない。5年、10年と推せる作品だなと思いました。素晴らしい青春ものでした。

物語は連作短編形式で進んでいきます。各話ごとに笹森くんと同じクラスに所属する少年少女たち、そして笹森くんの視点で物語は進んでいきます。各話に明確なつながりがあるわけではありませんが、夏休み明けにスカートを履いてきた笹森くんが各話の中心にいて彼と関わりながら時には思うところもありながらお話が描かれます。

他の人より汗っかきなことがコンプレックスな篠原智也、他の子とはちょっと違った家庭環境を持つ西原文乃、ぽっちゃり体型がコンプレックスな恋多き乙女の細野未羽、かわいいが故に過去にトラブルを経験しその容姿をごまかすようになった遠山一花、そして突然スカートを履いてきた笹森くん…それぞれ何か抱えていて、それを自分1人では簡単に飲み込めなくて、でも誰かと話したり他の人のことを知ることで受け入れたり落とし所を見つけたりする。そんな過程がすごく青春でいいなと思います。

またそれぞれの登場人物から見る景色は同じものを見ていてもまったく違うというのもよかったですね。例えば篠原くんから見たクラス委員の倉内さんは特別な女の子でキラキラいているのに、西原さんや遠山さんから見るとまるで違う女の子に見えたり…それぞれの登場人物の主観で同じ人を見ているのに印象が全然違うというのが思春期の少年少女らしさを感じる部分でもありました。

最終話で描かれる笹森くん視点のお話もすごくよかったですね。彼がスカートを履いてきた理由、彼から見える学校やクラスの景色、そして笹森くん自身のこと。さっぱりしているように見えても何か抱えていて、でもやっぱり根っこのところはみんなが思っている笹森くんなんだなと感じられる良いお話でした。最後の一文もすごくいい。ぐっときました。

心の底から読めてよかったと思える素晴らしい青春群像劇でした。普段僕がこのブログで紹介している作品とはまたちょっと色の違う作品ですが、誰もが持っている青春の原風景、あるいは現在進行形で体感している青春に訴えかけるものがある作品だと思います。青春もの好きならオススメです!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

笹森くんのスカート



著者

神戸遥真



レーベル

講談社


ISBN

978-4-06-528046-1

表紙の画像は「版元ドットコム」様より



どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回紹介するのは三月みどりさんの

同い年の妹と、二人一人旅

です!
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ストーリー A
内容は、一人旅が好きな高校生の月島海人はバイト代を貯めては全国色んな場所を旅していた。ある日、かつて北海道の旅で出会った冬凪栞が義妹になることに⁉︎元旅館の若女将である栞は旅に憧れており海人と一緒に旅をしたがる。旅は一人に限るという信条を迷った末に曲げた海人は二人それぞれで一人旅をするという<二人一人旅>ということにして二人で旅をすることになるが…とこんな感じです!

〜義妹と二人一人旅〜

三月みどりさんの新作!個人的には初挑戦の作家さんですね。さけハラスさんの素敵なイラストとあらすじに惹かれて手に取ってみました。義妹になった女の子と色んなところを旅するという擬似家族もの+旅ものという感じで楽しく読ませていただきました!
まず序盤。一人旅をする海人の様子が描かれます。高校一年生で東京から北海道、しかも登別という渋いところを一人旅するセンスはすごいですね…登別行ったことありますけど空港からも遠いですしなかなか行こうと思えないですよね…そんな登別の旅行で旅館の若女将である冬凪栞に出会います。旅に憧れるという栞に束の間の時間、自分の一人旅経験を語る描写はすごくよかったですね!こういう一期一会好きです!しかし海人と栞の出会いは一期一会では終わらず父親の再婚をきっかけに栞が義妹になることに!元々旅に憧れていた栞は一人旅をする海人と一緒に旅行に行こうとしますが、海人は旅は一人でという信条もあり彼女の誘いを断り。海人の信条も彼の過去を知るとただ無下にしているわけではないのがわかるのが…紆余曲折の末に海人と栞は<二人一人旅>という二人でそれぞれ一人旅をするということで一緒に旅をすることになります。日光に行ったり、鎌倉に行ったり、そして泊りがけで函館にいったり…最初はちょっと距離があるように感じた二人が旅を通して不器用に近づいて同じ景色を一緒に見て…少しずつ仲良くなっていく過程がグッド!旅行シーンもよかったですね!行く先々で王道のコースを巡ったり旅先の豆知識がしれたりと読んでいて旅に行きたくなります!最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
海人は最初はぶっきらぼうな感じで一人が好きな男の子かな?と思っていましたが、物語が進むにつれて優しいところを知れて彼の魅力を感じました!栞は道産子ガールでちょっと世間知らず?な感じがする純粋な女の子でしたね!時折でる方言がかわいい!その他のキャラも魅力的でした!

最後に
いい旅もの+家族もの?青春もの?でした!まだまだ海人と栞の旅は見たいですね!これから二人が色んなところに旅行に行くのが楽しみです!2巻待ってます!

どんな人にオススメか?
旅ものが読みたい方は!旅を通して少しずつ縮まっていく海人と栞の距離がグッドです!栞ちゃんの方言かわいい!旅先の描写もよかったですし気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

同い年の妹と、二人一人旅



著者

三月みどり



レーベル

MF文庫J


ISBN

978-4-04-681410-4

表紙の画像は「版元ドットコム」様より


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