カテゴリ: 中村航

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
新年度が始まってしばらく経ちました…まだまだ慣れるには時間がかかりそうです…

さて、今回紹介するのは中村航さんの「ぐるぐるまわるすべり台」です!

表題作の「ぐるぐるまわるすべり台」と「月に吠える」という短編が収録されています。「ぐるぐるまわるすべり台」は第130回芥川賞候補作、そして野間文芸新人賞受賞作となっています。

ぐるぐるまわるすべり台はなんとなく勘のいい人ならわかるかもですが、The Beatlesのヘルタースケルターが由来のようです。The Beatlesを知らない方だと沢尻エリカさんが主演した映画の方を思い浮かべるかもしれないですね。

独特のユーモアとテンポで刻まれる不可思議で、それでいてどこか安心感・懐かしさがある文章は読んでいて楽しいですよね。大学を辞めた主人公の僕が塾講師をする傍らバンドのメンバーを募集。ロックでそれでいて愛すべきメンバーたち。そんな彼らを見て僕が突き動かされていきます。

塾講師として指導する一人の不思議な感性を持つ生徒も、この作品にかけがえのない魅力を与えていました。全て分かっている。だから思いだす。そんな勉強法は馴染みのないものですが、きっと彼の特別なルールは彼自身を特別にして・平凡にして誰かを特別にするのでしょう。

「月に吠える」は「ぐるぐるまわるすべり台」の登場人物が出てくるお話。愛すべきロックなバンドメンバー千葉が小笠原さんという女性を笑わせるためにてつろーと協力していく様子を見て、僕がなぜ彼らをバンドメンバーに選んだのか分かった気がしました。

読むとちょっと楽しく幸せになれる不思議な物語。The Beatlesのヘルタースケルターを聞くとさらにこの作品の魅力を知ることができると思います。


どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日は久々にTSUTAYAに行ってきたのですが、知らない作品ばかりで驚きましたΣ(・□・;)
僕が受験勉強している間に映画業界は面白そうな作品を次々生み出していたのですね…ちなみにお金がなかったので何も借りませんでしたw

さて、今回紹介するのは中村航さんの「あのとき始まったことのすべて」です!
中村航さんは僕が今もっとも好きな作家さんの一人で月に一度は中村航さんの作品を読ませていただいています。過去にもいくつか紹介記事を書いたので、よろしければ見てみてください。

中村航さんの持ち味はなんと言っても他の作家さんの作品ではまず味わうことができない独特の雰囲気とユーモアにあります! 読んでいて楽しくて、読後がこれほど気持ちいいのは中村航さんの作品だけです!

ざっくりとしたあらすじ。
社会人三年目、営業マンとして働く僕は中学生時代の同級生石井さんと十年ぶりに再会を果たす。石井さんとの再会に当時の思い出が一気に甦るが、二人を待っていたのは意外な結末だった…とこんな感じです!

ジャンルは青春ものプラス恋愛ものですが、どちらかといえば青春ものが強いです。そして、あらすじで書いた意外な結末ですが、そこまで意外ではありません(苦笑)ただ、読むと中学生の頃を思い出す作品となっていてかなり楽しく読めました!

また、表紙は一見中村航さんの作品のほとんどの表紙(または挿絵)を手掛けている宮尾和孝さんの絵には一見見えませんが宮尾和孝さんの絵です。そして各章の始まりには宮尾和孝さんの挿絵がついています!

ストーリー的には一直線で、所々に散りばめられた中村航さんらしい造語や、登場人物達の行動があり、読んでいて温かい気持ちになるのですが、一つだけ過去を描いた章があり、これが主人公でも石井さんでもない登場人物が主役になっています。

この章の主人公は白原さんという女の子で、物語を動かす能動的な人物というよりは中学生時代の主人公と石井さんを眺めているだけの傍観者的立場である意味読者にもっとも近い位置で二人の会話や行動を見つめます。この章がとてもよくできていて、僕的には一番のお気に入りです。特に主人公が白原さんにエビをあげるシーンがお気に入りです!

この作品は読むと中学生時代のことが、自然と思い出されるような作品となっています。中学生時代のことなんともう忘れたという方にはぜひオススメしたいです!

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 
明日は久々にライトノベル調査企画をやろうと思います!

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
そういえば昨日ノイタミナのCMで虐殺器官の映像がチラッと流れていましたよね。まだ未読なので、冬休みが終わるまでには読んで受験終わったら映画見に行きたいです!

さて、今回紹介するのは中村航さんの「僕の好きな人が、よく眠れますように」です!
中村航さんの著者紹介は「あなたがここにいて欲しい」でしたのでそちらをどうぞ↓

なんだかんだ言ってこのブログで1番多く取り上げている作家さんが中村航さんなんですよね。読むと優しい気持ちになれるので、古本屋や本屋に行くと必ず手にとってしまいます(苦笑)

ざっくりとしたあらすじ。
東京の理系大学で研究をする主人公僕は北海道からゲスト研究員としてやってきた斎藤恵、通称めぐに恋をする。
しかし、彼女には誰とも付き合うことができない事情があった。それでも同じ研究室で過ごすうちに、僕はめぐと許されない関係になってしまい…とこんな感じです!

実はこの小説乾くるみさんの「イニシエーション・ラブ」を読んだ後わりとすぐに読んだので、読み進めるうちに思わず伏線を探していましたw
まあ、この作品はイニシエーション・ラブとは違い僕とめぐの許されない関係を優しく柔らかく描いていて、中村航さん独特のユーモアには他の作品と同じようにクスッとさせられるので安心して読めます。

この作品で注目してもらいたいのが、メインとなる僕とめぐではなく、脇役の存在です。
ギターを鮮やかに弾く木戸さん、僕の妹、他にも飲食店で隣の席に座った男女など、要所要所で出てくる人物達がいい感じに物語を盛り上げます。

もちろん僕とめぐの許されない関係も中村航さんらしい安定した筆致で描かれています。所々に入るユーモアはもちろん、2人が徐々に親交を深めていく様子には微笑ましくなります。

そしてこの作品の最大の特徴が、僕とめぐは世間一般でいえば許されない関係でいるのに、背徳感があまり感じられないということです。
昼ドラにありそうとは言いませんが、一歩間違えればドロドロになりそうな人間関係を、そうならないように、2人が純粋に想いあっているように書ききったところは素晴らしいと思いました!

この作品は解説もいれて全230p程度のお話なので手軽に読めます。人間関係に悩んでいて心が温かくなるような小説が読みたい人には是非オススメです!

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 
明日も明後日も勉強〜…( ꒪Д꒪)

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日から実質最後の定期テストが始まりました。初日は現代文と現代社会のダブルパンチでしたが、なんとかかいくぐり、右アッパーでノックダウン決めてきました! まあ、それなりに点数は取れただろうということです(苦笑)

さて、久々の本の紹介は中村航さんの「夏休み」です!
中村航さんの著書紹介は別の作品「あなたがここにいて欲しい」でしたのでそちらをどうぞ↓

中村航さんは僕が好きな作家さんの1人で、最近は中村航さんの「デビクロ君の恋と魔法」が原作となった映画も公開されているなど、注目度が高い作家さんです。また、あまり知られていないですが、芥川賞候補にも二度あがり、デビュー後しばらくは純文学界隈での活躍が目立っていました。

この作品は芥川賞候補にあがった二つのうちの一つで、当時の審査員の方々はこの作品をかなり辛口に批判しています。しかし、それはそもそも作品が面白い云々の話ではなくこの作品が純文学的作品ではない、もっといえば昨今の芥川賞受賞作に見られる過激な暴力・性描写・装飾過多とも取られかねない凝りすぎた文章表現が無い事が1番の原因です。まあ、この回では中村文則さんもかなり辛口に批判されていたのを考えれば受賞しないのは妥当とはいえますが…

上では色々言いましたが、僕的にはこの作品はかなり面白いです。

ざっくりとしたあらすじ。
僕とユキはユキの母親と同居しながら結婚生活を送る普通の夫婦。そんなある日、ユキの友人の舞子さんとその結婚相手の吉田君が家に遊びにくることになる。僕は舞子さん、吉田君と親しくなっていくが、ある日突然吉田君が家出をしてしまう。吉田君はほどなく見つかるが、なぜか2人だけで旅行をするはめになり、さらに2人にユキ、舞子さんから驚愕の内容が書かれた手紙を送られ…とこんな感じです。

中村航さんの作品を読んだことがある人は知っているでしょうが、中村航さんの作品は独特のユーモアと可愛らしい登場人物が特徴です。作中では造語を多数使用し読者の興味を引いたり、短い会話を連続させたり、読者を話に引っ張っていくことが非常に上手です。

しかし、この作品で1番注目して欲しいのは、大事な選択にゲームを使用することです。
このゲームというのが、男性なら大抵プレイしたことがあるスマブラ(執筆時期を考えるにおそらくゲームキューブ時代のもの)なのですが、最後の場面ではこのバトルの勝敗で人生が大きく左右されるような選択を迫られます。

このゲームで人生に関わることを決めるというのは、大抵の人には理解できないだろうし、もちろん僕もそうなのですが、書かれた時期から考えるに当時ゲームが波及していた世の中への一種アンチテーゼ的な意味でこの作品を執筆したのではないかと僕は思っています。

ゲームのように勝敗があり、選択肢一つで人生が決まると考えている人がいれば? そんなIFを考えさせられると同時に、純粋に中村航さんの作品の中でもトップクラスに登場人物が愛らしい物語でもあります。

中村航さんの作品を始めて読むという方も、中村航さんの作品を読んだことがある人にめオススメな作品です。また、芥川賞候補といっても内容は軽く、文体も柔らかいのでどちらかといえば一般文芸に近いです。気になった方はぜひご一読を。

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 
明日もテストε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘

どうも夏鎖芽羽です(≧∇≦)
今日もまだ流星群が見えました!星はいつでも綺麗ですから見るとなんだが安心します。
それと、今日は高倉健さんの訃報が報じられました。僕のような若者でも知ってる偉大な俳優さんでした。ご冥福お祈り申し上げます。

さて、今回紹介するのは中村航さんの「デビクロくんの恋と魔法」です!
中村航さんの著者紹介は昔紹介した「あなたがここにいて欲しい」で紹介したのでそちらをどうぞ↓

今作は中村航さんにとって2作品目となる映画化作品です。映画化することを知ってから読んだ身としては、内容的に映画化したら尺が足りないんじゃ? と思ってしまうほど短い作品だったのですが、作品自体は中村航さんらしい素晴らしい出来でした。

ざっくりとしたあらすじ。
普段は書店員として働く山本光。しかし、彼には夜な夜なデビクロ通信というイラスト付きの短い文章がついたチラシを街中に撒き散らす不思議な趣味があった。そんな光に密かに思いを寄せる杏奈だったが、ある日光は別の女性と恋に落ちる。杏奈の恋心は光に届くのか、そしてクリスマスイブの夜に2人は…とこんな感じです!

主人公は書店員で働きながら趣味で絵を書いている山本光。なんとなく昨今の小説には珍しい読んでいて安心できる主人公です。他の登場人物も基本的に悪い奴はおらず、彼らの一つ一つの行動は見ていて微笑ましいです。個人的にお気に入りなのは杏奈の父親、女性の方はこんな父親が自分の父親だったらいいなーと思うのではないでしょうか?

あと、中村航さんの小説を初めて読む方は少し驚くでしょうが、文体がかなり特徴的です。多分1度中村航さんの作品を読めば、次別の作品を読むときは作者名を見なくても中村航さんが書いたとわかるくらいに特徴的です。
英語のルビや独特の造語、読んでいて思わず笑ってしまうさりげないユーモアがとても素晴らしいです。1度読めばハマる人は結構ハマると思います。

他にも中村航さんの作品が好きな方なら必ず知ってるイラストレーターの宮尾和孝さんのイラストが今作ではかなり豊富です!なんと20枚のデビクロ通信が宮尾和孝さんのイラストで描かれています。このデビクロ通信だけで本が出ているくらいなので、興味のある方はそちらもどうぞ!

ストレートで暖かい恋のお話が読みたい方はぜひご一読を! 2時間程度でさらりと読めて、心温まる物語なので殺伐とした現実に疲れた人にオススメです。
また、近日映画も公開されるので、見に行く予定のある人は鑑賞される前に原作を見ておくのもいいかもしれません。

映画公式サイト↓

それではこの辺で(≧(エ)≦。) 
11月ももう半分終わったのかー…(´・_・`)

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